アート×宿泊の試み


2020年の最後に東京出張の折に、神奈川のホテルメトロポリタン 川崎にお邪魔させて頂きました。

目的は本ホテルで展示を行っていた河本蓮大朗さんの作品を見に行くため、そして本ホテルにアート作品の展示などのプロモーションを手掛けられた株式会社BLOSSOMの西喜代表とお会いするためで、西喜さんの案内のもと、館内を見学させて頂きました。

若き才能を応援する、ギャラリーさながらのホテルというコンセプトで各所にアート作品を展示しています。現在、弊社がアート×宿泊で取り組んでいる、D3 HOTEL OSAKA と目指しているところに通じるところもあり、共感したところから今回に至りました。

写真ではこの角度から分かりやすいように撮影しましたが、パッと見ただけではこの立体感はなかなか伝わりにくいと思います。

しかし、実際にこの空間にいると、プリントの壁紙では表現できないペインティングによる絶妙な立体感感に包まれる感覚を味わうことが出来ました。これは実際に泊まられる顧客の宿泊体験にもつながると考えますし、若手アーティストを起用されているということでアーティストの市場価値があがるにつれ、集客面でもプラスになります。またSNSを通じたマーケティングとも相性のいい領域になります。

 

写真は玄関部、ロビーに設置された河本蓮大朗さんの作品です。実は私自身も以前から興味のあった染織アーティストさんで、アパレルの廃棄問題に目を向けられ、廃棄物となった衣料などを使い、作品を制作されています。

『アパレル廃棄物を減らそう』ということを主張し、そのために自身が減らすことも勿論大事ですが、その主張や哲学をアート作品という表現物に昇華させ、多くの人に届ける。それこそがアートの一つ役割であり、文化の持つ力であると考えていて、今回お会いするのをとても個人的にとても楽しみにしていました。

早速わたしもなぜそのような問題意識を抱くようになったのかなど河本さんに質問したり、色々なお話をさせて頂いたのですが、その時に返ってきたのが、

「自分自身、古着が好きでずっと好んでいたくらいで、正直もともとそういう意識があったわけではありません。
ただ作品として布を扱う以上、そのテーマからは避けることが出来ない問題で、自然と問題意識を抱くようになりました」

という言葉でした。

その後、西喜さん(写真中央)、河本さん(写真右)と3人で色々なお話をさせて頂きました。

現在、弊社が淡路島で進めている『アート × 循環型の観光地開発のプロジェクト』などにも興味を示して頂き、2021年は三者でアートを通じて何か面白いことが出来たらいいよですねという話で盛り上がりました。

私は事業家として、作品ではなくビジネスモデルを通じて、哲学のようなものを表現できたらという想いを持っています。

2020年のコロナ禍の中でリリースした シェフ付き民泊クーネルハウス は2020年5月に動き出したサービスで、 当時 with コロナというように、この状況が長引くことが予測され、またその中で『自粛警察』というような言葉がメディアを騒がし、日本中が暗くなっていたときでした。

それでも大事な人の記念日や誕生日はやってきます。

『感染リスクに適切に対処して自粛することは必要だけど、人生を楽しむこと、人間らしい営みを大事にすることを委縮するべきではない』という危機感に近い想いを抱き、ホテルにはない民泊の『他の宿泊客と接することがない』、『キッチンが常備されている』ことを活かし、シェフ付き民泊を提供するというサービスをリリースしました。

今回あらたに計画しているプロジェクトも同じように私が社会に抱いている問題意識を解決するものであると信じており、それを西喜さん、河本さんとご一緒出来ることは今から非常に楽しみです。
追記.2021年1月16日 本プロジェクトが文化芸術の力で社会課題を解決するRenaissance Program 2020 でアワードを取りました。


 

弊社の『アートを通じたローカルとのコミュニケーション』をテーマにしたd3 HOTEL+ のインスタグラムも併せて紹介させて頂きます。